最近、言葉を忘れてしまった。
僕が思う言葉って、言葉=誤解の元凶、だったり、うまく伝えられない道具だったり、で正直辟易することが多い。
なにせ、うまく伝わらないとストレスが溜まる一方。それならいっそのこと喋らないほうがマシ。そんな気分だったわけで。
先日観た園子温監督『恋の罪』で田村隆一の『帰途』という詩が引用されている。
言葉なんかおぼえるんじゃなかった
日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで
ぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる
映画の中で言葉とは体、体で感じるものが意味、つまり、単なる言葉に意味を持たせるのは体だ、という会話がある。
なるほど、これは刺激的な解釈だ。
というか、改めてこういうことを言ってくれる映画はとてもありがたい、と思う。
みんな情報の洪水の中で自分を見失ってないか、なんて、余計な心配までしてみる。
同監督の『ヒミズ』でこんな台詞がある。
「一度人生にケチのついた人達は自分を捨ててでもがんばって変えていくしかないと思う…これはほとんど義務だよ」
カッコ良いと思った。
こういうことを言ってくれる人が居ること自体、幸せなんだろう、と思ったりもした。
もしかしたら、言葉って、僕が思っているより何か大きな可能性を秘めているものなのだろうか。
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by dolphin_rocket
| 2012-01-28 21:32
| 映画